夢は現実、現実は夢:8-4
* *
叫びながら銃を握っていた。撃ってはいけない。撃ったら、帰れなくなる。
目の前にはあの怪物が依然としている。怖い。幻覚、精神的なプレッシャーによる攻撃。物理的な攻撃より数倍怖かった。でもあの映像の若い男は……いや、気のせいだ。そう言い聞かせる。
あの怪物は銃で撃てば消える。
それも”問い”に対するひとつの答えだ。でも、それで本当にいいのか?
そもそも別の答えを示すにはどうすればいい?聞いていなかった。騙されたのか?どうすればいい?
突然、気配が動いた。
* *
教授室、そう書かれたプレートが掲げられた部屋に二人の男がいた。
一人は椅子に座り、もう一人は机を挟んで立っていた。
「どういう事ですか!?」若い男が言う。
「……君は若い、まだやり直せる」男は言う
「ふざけないでください!」
「あんな脅迫紛いのことをして、うまくいくとでも思ったのか?」少し、馬鹿にするように言う。
一拍。
「……訴えますよ。そうすればあなたには黒い噂が立つ」
「無駄だ。クビにされた男が何をいってもね。証拠も無いんだしね」
若い男は震えていた。
「そんな、そんな、馬鹿な、あなたは、僕から全てを奪うつもりなんですか!?」若い男が怒鳴る。
「……君は賢いし、才能もある。私は老いていく一方だからね」
「そんな、ふざけないでください。身勝手すぎます!……くっそ!僕は今まで、何のために!何をしてきたんだ!!」
若い男は机の上に置いてあった灰皿を取る。
男は何も言わない。
若い男も何も言わない。
若い男は灰皿で男を殴った。
鈍い音がした。
少しの間、静寂が響き渡る。
若い男は叫んでいた。
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